昨シーズンに比べて全然鹿に巡り会わない今シーズン、ようやくおとずれたチャンスでした。 3頭のうちはぐれた1頭のメス鹿が群れに合流しようと雪深い斜面を上がって行きます。まだこちらには気づいていません。距離は約50m。 息をひそめスコープのレティクルを首に合わせ、鹿の動きが止まり、手ぶれも止まったところで躊躇わずに引き金を引きました。 と同時に銃床を当てていた肩にガツンくる衝撃と乾いた銃声。 轟音の後の静寂。他の鹿が逃げて行ったはずですがまったく聞こえませんでした。 銃をおろし、撃った方向を見たのですがさっきまで立っていた鹿が見当たりません。 「逃げられたか?」と一瞬思いましたがよく見ると空に向かってのびている足だけが見えました。あそこで仰向けに倒れてるようです。 やった!という思いと早く息の根を止めなければ!という思いで、無我夢中で斜面を這い上がりますが、滑り落ちてなかなか上がれません。 おそらく2,3分くらいでようやく鹿のとこにたどり着いたと思いますが中距離走の後のように息が上がった状態でした。 鹿は狙い通り首に命中しててそこから出血していました。まだかすかに息をしていますが暴れる程の力もなさそうです。 可哀想という気持ちもないとは言えないですが、心臓が動いているうちに放血を進めないと肉に血が残り、血生臭くなってしまいます。 買ったばっかりのナイフで頸動脈を切ると、真っ赤な血がドクドクと流れ出てきました。やがて鹿の動きは停止しました。何も考えないようにして作業を進めます。
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更新日:2014/02/12